~☆~ 光に触れるボディワーク&セラピー ~☆~ 埼玉県川口市の一日おひとりさま限定サロンです

一番星の輪舞曲

sakura01-006 一番星の輪舞曲 (ロンド)

 

一番星は、いつも ひとりでした。

一番星ですから、ぬくぬくと温かい 星のベッドを ひとり 抜け出して、
ほかの誰よりも先に 空へと 飛んでいかなくては なりません。

誇らしさよりも先に 寂しさが、彼を襲ってくるのです。

 

あ、いちばんぼし、みぃつけた!

毎日、だれかしら 彼のことを 見つけて 指をさすけれど、
目立つのが好きではない一番星にとって
それは 居心地の悪いことでした。

 

一番星が 空で 輝きを増していき、まわりが うっすらと 暗くなる頃、
ほかの星たちも 登場を許されます。

 

君は いいよな。
いつでも 一番、いつでも 主役。
僕たちは、「その他大勢の星たち」でしかないからな。

中には、そんな不満をぶつけてくる星もいましたが、
一番星にとって、「一番」という座は、望んでもいないもの。

代われるものなら 代わってくれ!
と 叫びたい衝動にかられながらも、いつも 足早に その場を去るのでした。

 

そっと、だれにも わからないように、 姿を あらわし、消えていく。
それが、星としての 彼の願いでした。

 

ある日、一番星は 寝坊をしてしまいました。

大変だ!

慌てて 空へ飛んでいくと、
ほかの星たちは すでに 大空を舞台に、きらきらと 輝いていました。

・・・の はずでした。

 

が、暗黒の空には、だれもいません。

あれ?
みんな、どこにいるんだろう?

一番星が 飛び起きたとき、星のベッドは、空でした。
もう みんな、とっくのとうに 空に出ているはずの時間です。

 

一番星が 呆然としていると、うしろから 声がしました。

おやおや、一番星。
今日は ずいぶん 遅いじゃないか。
なにかあったのかい?

白くて長いヒゲの、大雲の神が、にっこり 笑って 立っていました。

 

あ、大雲の神さま!
ごめんなさい。
今日は 僕、寝坊してしまったんです。

しゅん、と 下を向く 一番星の肩を、
大雲の神は ぽんぽんと 軽く 叩きました。

 

そうさなぁ。
一番星だって、たまには 寝坊くらい するさ。
さぁ、地上のみんなが 待っているよ。
このラインを超えて、君のステージへ 飛び出しておゆきなさい。

でも・・・ 大雲の神さま?
みんなは、どこにいるんですか?
先に お空へ出ているものとばかり 思っていたのに。
星のベッドには 誰も 残っていませんでしたよ?

 

大雲の神さまは、大きく 目を見開くと、静かに うなずきました。

そうさのぉ。
とうとう、君にも そのときが来たんだね?
さぁ、ステージへ、おゆきなさい。
そうすれば、わかるよ。

大雲の神さまに そっと 背中を押され、
一番星は、首をかしげながらも、空へのラインを跨いで 飛び出しました。

 

あ!
いちばんぼーし、みぃつけた!

今日の『第一発見者』は、赤い帽子をかぶった 小さな女の子でした。

一番星は、いつものように、本日の第一発見者へのサービスとして、
光り輝くウィンクを 彼女に贈りましたが、心は宙をさまよったままです。

 

星のみんなは、どこにいるんだろう。

一番星が、仲間を探して 後ろを振り返ると・・・

 

そこには、
大勢の星たちが、きらきらと またたきあっている姿がありました。

その輝きは いつになく
荘厳であり、華やかであり、重厚であり、
ひとつ ひとつが それぞれの光に 満ちていました。

 

うわぁ。
みんな、キレイだなぁ。

思わず 一番星の唇から こぼれた言葉に、
大雲の神さまが 寄り添いました。

もう わかったろう?
これは みんな、君の姿なんだよ?

 

えええ? 嘘だ!
僕は いつも、ひとりで 早起きして、 ひとりで お空を飛んで、
ひとりで 『一番星』の役を やっていたんだ。

 
一番星が イヤイヤと 首を振ると、
目の前の星たちも、いっせいに イヤイヤと 首を振りました。

 

嘘だ!
君たちが 「僕」だなんて、嘘だ!

いつも ひとりで 寂しかったんだ。
ほんとは、みんなと一緒に 『その他大勢』の星で いたかったんだよ。
僕は いつも、君たちのことが うらやましかったんだよ!?

 

一番星の目から はらりと 涙がこぼれると、
目の前の星たちの目からも、はらりと 涙が こぼれました。

 

多角形の透明な涙の粒は、転がり、転がって、
ぶつかりあいました。

そして、それぞれの 涙の粒が 手をつなぎ、
大空に浮かぶ 1つ1つの お星さまを
一瞬のうちに 結びつけました。

次の瞬間、その涙の鎖は、一番星を スタートに、
お星さまたちを さまざまなルートで結ぶ リボンと
なっていたのです。

 

一番星は、きらきらと 笑いました。
そのほかの星たちも、きらきらと 笑いました。

 

一番星は、もう 寂しくありませんでした。

『その他大勢』の星たちを うらやむことも ありませんでした。

 

自分の放つ輝きを、
生まれて初めて 誇らしく 思いながら・・・

きらきらと 笑い続けていました。

 
~ 2008.11.28 ~

 

 

heart-wing02-003 ふんわりすとーりー index へ

 

 

お問い合わせは、こちらから どうぞ

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
PAGETOP
Copyright © オフィス ふんわりすと All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.